毒親育ちの
進化形態
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毒親育ちの進化形態 序章の紹介
毒親に育てられた子、いわゆる毒親育ちの特徴は、「頭脳が明晰であること」「忍耐づよいこと」「思いやりがあること」「誠実であること」「忠誠心があること」「まじめであること」「視野がひろいこと」
そして、「自分は、そうではないと思っていること」。
毒親は、わざわざ言わなくてもいいことを言う、うらなくてもいい恩をうる、やらなくてもいい余計なことをする、機嫌がわるいと怒っている、機嫌がいいと怒っている自分の失態を責任転嫁する、ウソをつく、ごまかす。
そして、 「そんなことしていない。全部、あなたのためだ」と言い張る。
毒親育ちが、「自分は毒親育ちだ」と気づいたら、毒親育ちは最強になれる。
毒親育ちは、頭脳明晰だ。
毒親の理不尽や不合理を見抜く明晰さや冷静さがある。つじつまのあわないことを見きわめる視野のひろさがある。だから、毒親の理不尽な言動のおかしさに気づいてしまい、イライラする。
毒親育ちは、コミュニケーションも得意で合理的に説明することができるが、毒親に対してそれが通用しないので、自分の能力が低いと勘違いしている。
毒親育ちは、まじめでやさしく、他人のことを思いやる傾向がつよい。
だから、毒親の理不尽に対して、まじめに対応して理解を得ようと誠意をつくす。毒親は、子の誠意を受け入れないので、やさしい毒親育ちはしかたなく毒親の不合理を容認する。毒親育ちは、こころのどこかで毒親より自分のほうが許容力があると知っている。毒親のほうが幼いと感じている毒親育ちも多い。
毒親育ちは、幼い毒親に対して、自分のほうが寛容であるべきだという責任感を感じてしまう。
毒親育ちは、器用で、感情のコントロールに長けていて、観察力が高い。
だから、毒親の感情や状態を見抜いて、自分の感情を自動で制御している。おとなしくしているべきか、落ちこんでいるべきか、あるいは、明るくふるまうべきかなどを無意識に制御できるほど、感情のコントロールがすぐれている。
毒親育ちは、集中力がある。
まわりを警戒し、複数の人の感情や状態を観察しつづける集中力をもっている。
毒親育ちは、素直で、誠実で、忠誠心が高い。
どれほど毒親が理不尽であるかをわかっていても、毒親を捨てられないやさしさがある。捨てられないから、もちまえの素直さと忠誠心で毒親につくしてしまう。できれば、毒親に真実を見てほしいと願っているものの、結局は、毒親の理不尽やブレブレの価値観にあわせようとする。
毒親育ちは、たたこうとしている親の手をとっさに払いのける能力があるが、あえてたたかれておくことを選択する。
毒親育ちには、忍耐力がある。
毒親の謎な行為や言動に何十年もつきあうことのできる、たぐいまれな忍耐力がある。
なにを言っても受け入れられず、おかしなことを要求されつづけても、あまんじて受け入れて、なんとか調整しようとしつづける忍耐力がある。最終的には「自分のほうがおかしいのだ」としてまで、つじつまをあわせようとする根性がある。
毒親育ちは、こういった特性が自分にあることを、なかなか自分で信じることができないが、本来の毒親育ちにはこのような特徴がある。
本書でくわしく紹介するが、毒親育ちは、ながらく毒親から毒を盛られていた状態にある。背中には毒矢を刺され、毒キノコを毎日のように食べさせられていた状態だ。
だから、毒親育ちには相当の毒耐性がある。多少の毒には動じない。しかも、頭脳明晰で視野がひろく、誠実で忍耐力がある。
では、なぜ、毒親育ちは思うように生きられないのか。おもな原因の1つは、毒親から、なんの根拠もない自己認識を刷りこまれていることだ。
「あなたは忍耐力がない」「あなたは能力が低い」「あなたは器量がわるい」「あなたは、おとっている」「あなたは、すべて間違う」「あなたには監視が必要」「あなたは、なにをしでかすかわからない」「あなたに反論は許されていない」「あなたは、へんだ」「あなたは、なにもできない」など、毒親は、まったくあなたと関係のないイメージをあなたの無意識に刷りこんでいる。
毒親育ちは、本当の自分とは違う「別人」として生きている。これが、毒親育ちの生きづらさの原因の1つだ。
本当は、頭脳明晰でひろい視野をもち、忍耐力があって思いやりがあるのに、「あなたは人よりおとっている。なにをしでかすか、わからない人間だ」というズレたイメージを毒親から刷りこまれている。「あなたは、ウツボだ」と言われているくらいズレている。
反論は許されない、自己主張は許されない、よくてもわるくても怒られる、理不尽な事態に抵抗もさせてもらえない、説明したくても毒親は聞こうとしない。
こういうことがくりかえされることで、人のいい毒親育ちは、しかたなくあきらめてウツボ(別人)として生きることを選択する。いうまでもなく、なにもうまくいかない。どこかで、自分はもっとうまくできるはずだと知っていても、ウツボとして生きているので、なんの達成感もない。
こうなると、もう、なにも充実感はない。たとえ褒められても「いいウツボだね」と言われているように聞こえる。
別人が褒められている感覚にしかならない。
努力したり目標を達成しようとするときも、毒親育ちは自分ではなく別人としてがんばろうとしてしまう。
毒親よりよほどしっかりしているのに、毒親から「しっかりしなさい」と叱咤激励される。なんでもよくわかっているのに「あなたは、なにもわかっていない」と、しかられる。いつしか毒親育ちは「自分は毒親の言うように、忍耐力がなく、自分ではなにもできない人間なんだ」と錯覚する。
毒親の「毒」とは比喩だが、子をよわらせて幻覚を見せるということをあらわしている。毒親育ちは、毒親の毒によって自分が別人かのような錯覚をおぼえる。
何十年ものあいだ、毎日、こういった毒をくらっても生きのびられる生命力にあふれた毒親育ちは、毒親から刷りこまれた自己認識を捨てることができれば、すべてがかわる。
しかも、毒耐性までもっている。
本当の自分を知った毒親育ちは、最強といっても過言ではない。
本書は、毒親育ちの背中に刺さった毒矢を抜き、体にまわった毒を解毒するための方法が書かれている。これによって、毒親育ちは、幻覚から脱して本来の自分を思い出して進化する。
泥沼のたたかいから開放され、最強となる毒親育ちに捧げる。